GW初日、各地でコロナ前の活気 列島タイムライン

ゴールデンウイーク(GW)が29日、始まった。3年にわたって社会に大きな影を落とした新型コロナウイルス。感染症法の位置づけが5月8日に「5類」となり、季節性インフルエンザ並みとなる。社会・経済活動を正常化させ、コロナ禍前の日常へ――。大型連休初日の各地の表情を追った。
午後4時半ごろ@横浜の神社 みこし・おはやし…伝統の「田祭り」開催

鎌倉時代から伝わる伝統芸能「鶴見の田祭り」が横浜市鶴見区の鶴見神社で開かれた。過去3年は中止や無観客開催だったが、今年は4年ぶりに通常開催となった。おはやしや太鼓の音とともに、みこしも出た。地元住民らでつくる「鶴見田祭り保存会」の担当者は「地元の伝統を多くの人に見てもらえる日が訪れるのを待ち望んでいた」と笑顔で話した。
午後2時45分ごろ@京都・清水寺 埋め尽くされた参道

京都の観光名所、清水寺の参道は観光客らで埋め尽くされていた。山口県下関市の友人家族とともに散策に来た兵庫県尼崎市の女性(52)は「予想以上に混んでいる」と驚いた様子。店先でアイスクリームを食べて休憩する小中学生の子どもらを見守りながら「次は広い公園に行こうかな」と思案していた。

午後1時半ごろ@東京・荒川 4年ぶりの祭り、昔なじみとも再会

(29日、東京都荒川区)
東京都荒川区の南千住野球場では4年ぶりに「川の手荒川まつり」が開かれた。およそ70の屋台が出店、マスクを外して家族や友人同士で飲食を楽しむ光景が広がった。子ども2人を連れて訪れた20代の女性は「子どもの頃から通っている思い入れのある祭り。昔なじみとも会えて良かった」とほほ笑んだ。
午後1時ごろ@那覇市・国際通り 土産店「うれしい悲鳴」

那覇市の繁華街「国際通り」は多くの観光客が行き交った。昨年にはあまり見られなかった修学旅行生や外国人観光客の姿も目立ち、コロナ前の活気が戻ってきた。名物土産「元祖紅いもタルト」を販売する「御菓子御殿」の店員は「レジにさばききれないほど長蛇の列ができてうれしい悲鳴。シーンとした国際通りからこんなにも変わるものか」と驚いていた。
午前11時半ごろ@博多 ラーメン店、雨中に50人超す行列

福岡市内にある人気豚骨ラーメン店「博多一双 博多駅東本店」では、あいにくの雨のなか午前11時の開店前から50人を超える観光客らが傘を差しつつ行列をつくった。岡山県から高校の同級生と2人で観光に来た女性会社員(21)は福岡の食を満喫するつもりで、「もつ鍋店と居酒屋の予約もばっちりです」。
午前11時15分ごろ@大阪大学 4年ぶり制限無し、学祭準備急ぐ

大阪大学の豊中キャンパス(大阪府豊中市)では同大学の創立記念日を祝う「いちょう祭」の初日を翌日に控え、学生らが準備に追われていた。入場制限のない対面での開催は4年ぶりだ。ステージ設営に汗を流していた2年生の小林咲子さんは「自分が大学受験をした時はコロナ下で学園祭には来られなかった。ぜひ多くの受験生に足を運んでもらいたい」と願った。
午前11時ごろ@千葉県市川市 大空に泳げこいのぼり

千葉県市川市では「国分川鯉のぼりフェスティバル」が行われ、川沿いの道路や公園に色とりどりのこいのぼりが約400匹飾り付けられた。大勢の家族連れでにぎわい、近くに住む30代男性は「こんなに大きなこいのぼりを子どもに見せる機会はあまりない。四季を感じるイベントはいい」と3人の子どもたちと青空を見上げた。5月4日に行われるイベントでは、屋台の出店もコロナ禍以前と同規模となる。
午前10時ごろ@大阪・USJ アトラクション待ちの行列

(29日午前、大阪市此花区)
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)で、任天堂の人気キャラクター「マリオ」をテーマにした「スーパー・ニンテンドー・ワールド」。アトラクション待ちの行列ができるなど、にぎわう園内の中でもひときわ多くの人が訪れていた。
午前9時55分ごろ@東京・銀座 「こんなに混んでるとは」

(2020年4月29日、同右)
銀座三越(東京・中央)前には、40人ほどの買い物客の列をつくって午前10時の開店を待っていた。銀座4丁目の交差点は多くの人が行き交い、人影がまばらだった3年前とは様変わりした。
中央区に住む30代の女性会社員は「家が近くよく銀座には来るが、コロナ下になってからこんなに混んでいるのは珍しい」と驚く。普段は子ども2人の育児で忙しく、「きょうは息抜きをしに来た。人気の塩パンを買いに行く予定」と楽しげだった。
午前9時30分ごろ@東京・浅草 店主「我慢した分、頑張る」

浅草寺(東京・台東)の雷門前は、記念写真を撮る外国人観光客らでにぎわっていた。人形焼や団子店が開店するとさっそく、観光客らが列をなした。土産店を営む男性店主(51)は「コロナ禍は一時、ゴーストタウンのようだったが、ようやくコロナ前のにぎわいが戻ってきた」と感慨深げ。足を運ぶ客の大半が外国人といい「我慢していた分、今年は頑張らないと」と意気込んでいた。
午前9時15分ごろ@大阪・道頓堀 グリコ前、同じポーズで記念撮影

大阪市の繁華街・ミナミは朝から多くの観光客でにぎわっていた。スーツケースを引っ張って歩くインバウンド(訪日外国人)の姿も。「グリコサイン」がシンボルの道頓堀の戎橋で家族5人で記念撮影していた名古屋市の男性(40)は「久々の旅行。食べ歩きを楽しみたい」と話した。
午前6時15分@東京駅 4年ぶりのGW旅行「ライブ、思い切り楽しむ」

JR東京駅(東京・千代田)の東海道新幹線ホームでは、ゴールデンウイークを古里や行楽地で過ごす家族連れらが列をつくって列車の到着を待っていた。茨城県に住む女性会社員(50)は大学生の娘(21)とともにアーティストのライブに参加するため名古屋市に赴く。大型連休中に母子で旅行するのは4年ぶり。「声出しもOKになるので、思い切り楽しみたい」と話した。
午前6時ごろ@羽田空港 家族連れなどで混雑

羽田空港(東京・大田)の国際線出発ロビーは早朝にもかかわらず、スーツケースなどを手にした家族連れらで混雑していた。両親に見送られていた東京都中野区の女性会社員(24)はインドに旅行に行く。海外は約3年ぶり。コロナ禍前は留学や旅行で米国やニュージーランドなどをよく訪れていた。「久々の海外旅行、現地の建築物をたくさん観光するなど楽しみたい」と笑顔を見せた。
政府は新型コロナの水際対策を28日で終了。来日する渡航者に求めてきた陰性証明などの提示を不要にした。
午前6時ごろ@大阪の高速バスターミナル 「帰省して親孝行を」

(29日朝、大阪市北区)
JR大阪駅(大阪市北区)に隣接する高速バスターミナルでは大きな荷物を持った人が行き交い、観光地や故郷へ旅立っていった。バスを待っていた大阪府守口市の男性会社員(19)は愛媛県鬼北町の実家へ帰省するといい、「親を外食に連れて行って孝行したい」。マスク姿で「最近は驚くほど街に人が多い。感染対策もしっかりしたい」と話した。
