離れた老親の見守り方

仕事の都合等で親元を離れた子ども世代にとって、気がかりなのは実家で暮らす年老いた親のこと。独り暮らしなら、なおさらだ。離れた場所にいる老親をどう見守ったらいいのだろうか?
■親が元気なうちに最低限、やっておかなければいけないことは…
「携帯電話などでいつでも連絡が取れるようにしておくことは当然ですが(ちなみに、私は山口の一人暮らしの母に一週間に1度は携帯に電話しています。)、体調を崩した時のために健康保険証や通院している医療機関の診察券等のコピーをとっておくことも大事。主治医の名前や服用する薬の内容を知っておくのも大切です!
また、倒れて意識を失う場合を考えて、通帳や実印など重要書類の保管場所を聞いておくことも大切。親しい友人や近所の人、ふだん通う習い事などの連絡先も把握してください。連絡が取れない場合の確認依頼や入院や施設に入所した場合、姿を見せないのを心配する人がいるので、連絡先がわかれば知らせることもできます。
■離れていると、無事に暮らしているか確かめる方法…
このサイトの「NEW」でのいくつか紹介していますが、見守りカメラや訪問見守り等各種見守りサービスがありますが、救助してくれるわけではありません。心配なら警備会社の緊急通報サービスを利用するのも手です。センサーが人の動きを感知しない場合、スタッフが電話などで安否を確認し、緊急事態と判断すれば現場に急行します。費用はかかりますが、より安心感はあります。
■実家に帰った時、気をつけるべき点は…
知らないうちに認知症が進むことがあります。帰ったら、それとなく家の中を観察してください。きれい好きだった親が片付けできていない場合は要注意。洗濯物や新聞が乱雑に置いてあったり、流しに食器が山積みになっていたりしたら疑いましょう。認知症の人はうまく段取りができず、家事や整理整頓ができなくなる傾向があります。冷蔵庫の中をチェックしておくことは大事です。賞味期限切れのものや同じ食品がたくさんあったら注意が必要。買ったことを忘れ食べないままでいたり、毎日好きな物を買い続けたりするからです。においにも気をつけることも大事です。場所や時間がわからなくなり、部屋の中で小便をする人やタンスの中に便を入れる人もいるといいます。
たまに子どもと会うと、親はしゃきっとして認知症の症状が出ないことがあります。実家に帰ったら最低、1泊はして親と会話をして普段の様子を聞いたり見ることが大事。もし、認知症の疑いがあると思ったら、早めに専門医に診せましょう。根治は難しいにせよ、投薬などで進行を遅らせることができる様です。
■親の衰えが目立ってきたら、どう対処したらよいか…
年をとると料理が面倒になり、コンビニ弁当などに頼ることがあります。カロリーは足りてもタンパク質やビタミンなど必要な栄養素は摂取しにくくなります。病気になったらすぐに回復せず、骨折しやすくなります。そんな時は配食サービスを使うといいでしょう。栄養のバランスを考えた食事を届けてくれます(知人の母親が初期の認知症と診断されて料理の味が変わったり、同じものを買ってきたりして配食サービスを利用している)。
自活が難しくなったら、公的な介護サービスを利用しましょう。子が代理で役所に申請することができます。自治体によって内容が違うので調べてください。自治体は必ず介護のしおりや小冊子を出しています。ホームページで公開しているので、ダウンロードすれば入手できます。
■地域のコミュニケーション…
ちなみに私の母の見守りの術は、テクノロジーを使ったサービスの他に、高齢者の女子会(仲良し会)を常時実施しており月2回は近くの温泉にそれらのメンバーと行っています。その時のことを、電話や実家に帰った時に聞くようにしてます。